2018年4月2日月曜日

Kontakt用ギター音源 Junk Guitar:カントリーロック風の使い方(デモ音源制作秘話的なお話)


さすらいのオルトカントリーロックDTMer、ヒの字です。

さてさて先日ですね、Fujiya Instrumentsさんから、みんな大好きJunk Guitarのデモ曲制作を仰せつかりました。お題はずばり、カントリーロックでございます。

そして完成した曲がコチラ


今回は、このデモ曲を使ってJunk Guitarでカントリーロックギター風の使い方を紹介していこうと思います。



ギターの弾き方が分からな~いという方にも、できるだけ分かりやすい説明を心がけていきますので、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。

それでは、いってみよー!


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まずはセッティングから


カントリーロックギターをJunk Guitarで打ち込んでいくには、セッティングのところでちょっとしたカラクリが必要になります。まず、こちらをご覧ください。


StudioOneのミックス画面になるのですが、右手のKontaktにはJunkGuitarが4つ表示されていますが、ギタートラック(赤)は2つのみです。

これは何をしているか簡単に言いますと、2つのチャンネルを1つのトラックにまとめているんですね。これをすることで後述するカントリロックギターのフレーズが可能になるわけです。

Kontaktの画面を拡大してみましょう。


ちょっと見えにくいですかねw 上2つのJunkGuitarはOutputをst2へ送ってリズムギターとし、そして下2つではOutputをst3へ送ってリードギターとしています。

なんでこんなややこしいことしてんの?と思われるかと思うのですが、これがJunkGuitarでカントリーロックギターを弾くための「ヒの字式」セッティングになるのです。

ていうか、そもそもカントリーロックギターって何よ?って話ですね。それをお話していきましょう。


デモ曲で使用したカントリーロックギター・テクニック


まぁ、カントリーロックギターの特徴や奏法などはいろいろとあるのですが、今回のデモ曲では主に以下の2点をフィーチャーした曲作りをしました。

カーターファミリーピッキング(リズムギター)

ハーモナイズド・チョーキング (リードギター)

この2つのテクニックの簡単な説明と、Junk Guitarでどのように打ち込んでいったかをお話していきますよ。


カーターファミリーピッキング(リズムギター)


現在のカントリー、ブルーグラス、フォークミュージックに大きな影響を与えたカーターファミリー。その大きな特徴となるスタイルが、ギターでベースラインとコードを弾いていくというカーターファミリーピッキングです。

簡単に言ってしまうと、ブンチャカブンチャカというリズムギターの「ブン」がベース(またはメロディー)で「チャカ」がコードになるんですね。言葉では難しいので、ちょっと聴いてみましょうか。

私が制作したデモ曲は他の楽器とのバランスも考えて、ブンチャカ奏法をシンプルにアレンジしています。



コードが変わる時、そのルートになる音を「ブン」(ベース)にして、ブンチャカ ウンチャーみたいな感じにさせています。ピアノロールではどうなっているか見てみましょうか。

水色(JunkGuitarポリモード)が「ブン」で、緑色(JunkGuitarリアルコードモード)が「チャカ」になります。

ちなみにJunkGuitar V1だったらシミュレートコードモード1本でいけますが、今回は歯切れの良い音の方が向いていると思ったために、リアルコードモードを使いました。

つまるところ、私が制作したデモ曲のリズムギターは、ポリモードとリアルコードモードの2つを1本のギターとして、カーターファミリーピッキング的な奏法を打ち込んだというわけです。


ハーモナイズド・チョーキング (リードギター)


いきなりですが、JunkGuitarでハーモナイズド・チョーキングはできます!

上記のようなセッティングで2つのモノモードを1つのトラックにまとめて、そこにアンプシミュのエフェクトを挿してやれば、ほーらね!ってヤツです。

カントリーといえばハーモナイズド・チョーキング、ハーモナイズド・チョーキングといえばカントリーなのですが、ハーモナイズド・チョーキングって何?って話ですよね?

ハーモナイズド・チョーキングは2本の弦を使って下の音をチョーキングさせて、上の音にたいしてハーモナイズさせるのですが、JunkGuitarモノモード1本だけではコレができないんですね。

それならモノモードをもう1本追加しちゃおう!って話です。JunkGuitarは軽いのでそれが可能なんですよね!じゃ、2本のモノモードでどうやって打ち込むか。


オレンジの四角で囲っているところに注目してください。緑色をモノモード1、黄色をモノモード2とします。モノモード1で下の音をチョーキングして、それからモノモード2で上の音を打ち込んでいます。それからチョーキングしていたモノモードを元の音程に戻してやっているんですね。

その部分がコチラ


実際には、最初の2回は歯切れよくするために、noiseless stopを入れちゃっているのですが、3度目のオレンジ四角の部分は正にハーモナイズド・チョーキングです。

そう、JunkGuitarモノモードを2本使えば、ハーモナイズド・チョーキングも可能なのです!


その他の奏法について


今回のデモ曲「Country Guitar Dude」では、モノモード2本使っていろいろな奏法を試してみました。とりあえず、ピアノロール画面をご覧くださいな。


薄紫色の部分はハーモナイズド・チョーキングの応用みたいなものなのですが、薄黄色の部分は、これまたカントリーギターでおなじみのチキンピッキング的なことをスライド奏法と混ぜてやっています。

更に水色の部分では、チャックベリーでおなじみのロックンロールなギターフレーズを、弾いております。ここでは黄色のモノモード2を短音が打ち込める「ソロ」ではなく、「4thサステイン」のキースイッチを打ち込んでいますよ。

その部分がコチラ(0:03くらいから)



まとめます


実はJunkGuitarはフリーだった頃から使っていまして、JunkiGuitar2本立てのハーモナイズド・チョーキングに初チャレンジしたのが、調べてみたら2016年12月にDOVA-SYNDROMEで公開した「Country Boy」って曲だったんですね。

(フルバージョンとDLはコチラ

この時に、お!JunkGuitarでもカントリーロックギターいけるんじゃん!って気づきまして、その後はご存知のとおりです(ご存知ではないかw)。

とにもかくにも、JunkGuitarは動作が軽いし(LE&V1共に)、モード別にもなっているので、PCが許してくれる限り、何本でも立ち上げられるのがステキなところです。

単体でもいろいろな奏法が簡単に打ち込めるのがJunkGuitarの魅力なわけですが、それを2本立てにしてごらんなさい、あーた。打ち込みギター自由自在たぁ、このことでさぁ。

あ、そうそう。Fujiya Instrumentsさんのブログでもギターの打ち込みについて書かれています。すごくシンプルで分かりやすいので、ぜひぜひそちらもチェックしてみてくださいね!

Fujiya Instruments ブログ

はい。そんなワケで、カントリーロックのお題をいただき、JunkGuitarでどれだけカントリー的な打ち込みができるかということにチャレンジした「Country Guitar Dude」を最後に聴きながらお別れといたします。(最初のがV1バージョンだったので、今度はLEバージョンw)




はい。それでは、またお会いできるその日まで。
お相手はヒの字でした。

See You!

Fujiya Instruments ホームページ


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