2022年2月15日火曜日

DTM打ち込みギターで疑似的にフィードバックさせる方法


はい、ヒの字です。

先日、ギター・フィードバックをシミュレートできるというSotftubeのAcoustic Feedbackを使ってみたら、設定によっては思いのほか手の付けられないような暴れ馬になるのでかなり気に入りました 笑。

それでですね、同じようなBlue Cat's AcouFiendと比較しながらレビュー記事を書いたら面白いかもな~と思ったのですが...。

その前に!

こうしたエフェクト・プラグイン使わなくても、疑似的なフィードバックをソフトウェア・ギター音源だけで作ることは今までもやってきていたので、その方法を書いた方が面白いんじゃん?と思ったわけです。

あ、ちなみに、この記事に検索で辿り着いた方は、ある程度ギターの奏法について既にご存知だと思いますのでフィードバックの説明は省略しますね。

何はともあれ、まずはコチラをお聴きください。イントロだけでオッケーです。


左のギターが鳴って右のギターが鳴りだす直前にセンターで鳴っているヒョ~~~、こういうのを作りましょう。すごくカンタンです。

以前からライブや宅録でやっていたのですが、ギター本体のボリュームノブをゼロにしておいて、ハーモニクスを鳴らしてボリュームを上げていくとフィードバックっぽい音を出せるので、それをDAWで立ち上げたギター音源で再現してやるだけです。

ということで...。

オートメーションが書けるDAWを持っていることを前提に、用意するものは以下の通りです。

1.ハーモニクスが出せるソフトウェア・ギター音源

2.ギターシミュを含む歪み系の音が作れるエフェクト・プラグイン

これだけです。

先ほどの曲で使用したのは、DTM界隈ではお馴染み Fujiya InstrumentsさんのJunk Guitar LE for Kontakt。もちろんJunk Guitar V1でも同じことができます。

あ、用意するものもうひとつ。

こんな感じのフィードバックを鳴らしたいというイメージ。

「あの曲みたいなフィードバックを鳴らしたい!」というイメージして、それを再現する感じですね。イメージは大事。

実際にスタジオなどで自分のギターでフィードバックを鳴らしたことがある人はイメージするのも早いかと思います。

ちなみに、この曲では90年代のロック、Nirvana、FooFighters、Weezerの曲で耳にするようなフィードバックをイメージしました。

はい。それでは実際にどう打ち込むか。


上の図はJunk Guitar LEのピアノロール画面です。

まず、F-1でMonoモード(桃色)に設定し、G0でN.Harmonics(水色)を鳴らせるようにして、フィードバックとして鳴らす音はいろいろ試してイメージしてた音に合ったF#3としました。

しかし、まだこの状態だとハーモニクスのアタック音が残ったままなので、Studio One付属のアンプシミュレーター Ampireでしっかり目に歪ませた上で、下の図のようにオートメショントラックを立ち上げて、アタック音が鳴り終わった後で音が持ち上がるように Output Levelのオートメーションを書いて、擬似フィードバックの入り方をコントロールしてあげます。


こうすることで、アタック音のあるポーーーーンというハーモニクスから、アタック音のない状態から音が立ち上がってくるフォーーーーーンという音に変わります。

この音が、私がやっている疑似フィードバックの基本になります。

フィードバックの入り方をコントロールするオートメーションは、アンプのマスター・ボリュームでも良いですし、トラックのフェーダでも良いと思います。

注意する点としては、疑似フィードバック音は長さに限りがあるので、上でも言いましたようにしっかり目に歪ませた方が良い結果が得られる傾向にあります。

ソフトウェアのギター音源ですが、ハーモニクスを出せるものなら何でもオッケーです。

Kontakt音源だったら、ハーモニクスが出せるギター音源は山ほどあると思いますが、私が愛用しているもうひとつのギター音源、Studio Major7thさんのKMG7 Advanced。この7弦ギターのKONTAKT用音源も使い勝手が良くて、気持ちいい疑似フィードバックが鳴らせるのでオススメです。残念ながら2021年の春に販売とサポートが終了したとのことですが、しばらくはBOOTHにて入手可能とのこと。この機会にぜひ!


ハーモニクスが出せるギター音源って言えば、Studio One使いの方なら付属のPresence XTのエレキギター音源なんかもありますよね。Presence XTのエレキギター音源はアーティキュレーションも豊富だし侮れないです。



さあ、ここからは疑似フィードバックの応用編です。

例えば、曲のエンディングにギターでバーーーーンって鳴らして、その余韻の部分でヒーーーーンとフィードバックを鳴らしたい。

このバーーーーヒーーーーーンも疑似フィードバックで作れます。

1つのやりかたとしては、疑似フィードバックだけを鳴らす用のギター音源を追加で立ち上げて、バーンのギターの音が消えていく具合とフィードバックが入ってくる具合をオートメーションしてあげます。


上の図では、緑色の枠で囲った上段がフィードバックで、桃色の枠で囲った下段がバーンのギターになります。

バーンのギターはオートメーションせずに疑似フィードバックの音を乗せるのもまた1つの方法ですね。聴いてて気持ち良ければオッケーだと思っています。

さらには、前に Junk Guitar:カントリーロック風の使い方 でお見せした Junk Guitarの2段積みでも行けますね。フィードバック用として立ち上げたJunk Guitarのボリュームをオートメーションするだけですもんね。

いろいろと応用できると思います。


で、ここまで書いておいてなんなのですが、ギター・フィードバック音源ってありますよね。手っ取り早く済ませるにはコレが一番ラクなのかも…笑。

Omnishere 2のフィードバック音源が割と有名みたいですけど(私は持ってないのです 苦笑)、個人的には Majetoneさんの The Feedbacker がステキで先日もお仕事で使用しました。こちらも気持ち良いフィードバック音が鳴らせます。


もともとMajetoneさんのドラム音源が良さげだったので、まとめて購入できるMultipack 1を購入したらバンドルされていました。The Feedbacker は無料のKONTAKT用音源です(2022年2月現在)。


はい、ぼちぼちまとめます。

今回は、スタジオ行ってギターをアンプに繋いで大きい音鳴らさなくても、フィードバックをシミュレートするエフェクトとか購入しなくても、擬似的ではあるけども手軽にギターのフィードバックを作れるよ~というお話でした。

また、「DTM  打ち込みギター フ ィードバック」で検索するといろいろと出てくるのですが、ソフトウェアのギター音源でフィードバックを作る方法が見当たらなかったのと、某SNSなどでも「打ち込みギターでフィードバックってどうやるの?」みたいなツイートを見かけたりしたので、そうした皆さんの参考になればと思っています。

せっかくロックな曲を作るのならフィードバックなどの効果音で盛り上げていきたいですもんね!フィードバックさせていきましょ。

ということで、今回はここまで。
それではまた。


追記:映画『ダイナマイト・ソウル・バンビ』のエンドロール曲でも、少し違った感じの打ち込みフィードバックをやっておりますので、どうぞ参考までに…。




↑こちらもギターのコード弾きの打ち込みのお話です。

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→ ヒの字 (Hideki Inoue) Homepage



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