はい、ヒの字です。
前回からInstaChordで自分専用プリセットの作成するプロセスをお送りしております。
まずはざっとここまでの復習をしましょうか。
再度こちらの図を見ながら確認していきましょう。
これまで設定してきたのが...
黄色のオクターブ (CHORD A)でメジャーコード
桃色のオクターブ (CHORD B)でマイナーコード
黄緑のオクターブ (PICKS A)で単音弾き
そして、これから弄っていくのが水色のオクターブ(PICKS B)
つまりストラムの設定です。
そもそもストラムって何よ?
ギターを弾いたことない人は、そもそもストラムって何よ?って思いますよね。
そしたらギターを弾く真似ってできますか?
だいたいの人が右手でやっているジャンジャカジャンジャカ。あれがストラムの手の動きです。
上の図で、もうちょっと細かいことを言うと
下向きの矢印が、一番太い弦(6弦)から一番細い(1弦)の方向に弾くストラム・ダウン。
上向きの矢印が、一番細い(1弦)から一番太い弦(6弦)の方向に弾くストラム・アップ。
この時、どんなに早くストラムしても、6弦から1弦まで6つの弦が同時に鳴るということはありません。物理的に時差が生じます。
それを実際に打ち込みするとこんな感じになります。
全部のノートの頭が少しずつ後ろにズレているのが分かると思います。さっきの時差を表現しているワケです。
ギターコードの打ち込みは毎ストロークごとに、このズラシをやらないといけません。もっとこだわりたければ、ベロシティ(音の強さ)を微調整したりすることもあります。
より自然にギターコードを鳴らすためには、それこそひとつひとつの音のいろんな要素を弄っていくこともあるんです...。
あぁ、もうホント面倒くさい!
ってことで、早いところ鍵盤ひとつでストラムできるようにしていきましょう。
最初のストラムを設定
InstaChordには膨大な種類のストラムがあります。
どれくらいかというと、ざっとこんなです。
① PICKS BのCをクリックして②のメニューを表示。
② ストラム・アップ or ダウン + ストラムの速度4種類からひとつ選択。
③ 続いて1stから6thまでの組み合わせ(どの弦を鳴らすのか)を選択。
ここで私が選んだのは、Strum Down Medium All。
ストラム・ダウン → 速度は中くらい → 弾く弦はすべて
とりあえずこれで「少しユルめ」なジャラーンが鳴らせます。
ストラムパターンを考えながらストラムの種類を選択
続けて他の鍵盤にもストラムを割り当てていきます。
様々なストラム・アップとストラム・ダウンを組み合わせて、ストラム・パターンを作っていくので、自分が弾きたい or 鳴らしたいストラムパターンを考えながら、選択していく必要があります。MIDI鍵盤を使うなら配置も考えていきたいですね。
最終的に私はこんな感じにしました。
これまでずっと白鍵だけでやってきたのですが、ついに黒鍵に手を出しました 笑。
と、ここでコチラをご覧くさい。
ジャンジャカ ジャンジャカ
ジャンジャカ ジャカジャン
ジャーン... ジャン♪
InstaChordでどんな風に弾いていたかはコチラ。
ドーレミ ドーレミ (C-DE C-DE)
ドーレミ レミドー (C-DE DEC-)
レーーー ド (D---- C )
最初のジャンはド(C = Sturum Down Medium All)です。
ジャカの部分のレミで弾けるようにしました。右手の人差し指と中指を交互に弾くとジャカジャカジャカって弾けます。
ちなみに...
レ (D) = Strum Down M 12345
ミ (E) = Strum Up M 23456
ジャカの時には、全部の弦を鳴らさないようにしてストラム・ダウン&アップさせています。
(*実際に弾くときは全部の弦か鳴っているとは思うのですが、打ち込みの時にはこうしたちょっとしたことが自然なストラムに聴かせるコツになっていきます。)
ほいで、最後に黒鍵のC#(Strum Down Slow All)でジャーーーーーーーーーンと鳴らして、短めのド (Strum Down M All)でジャンと締めています。
実は、黒鍵のD#にはStrum Down V S ALLが設定されています。V S とはVery Slow、つまり「とても遅い」で、ジャラララララ~ンって鳴らせます。C#同様、エンディングなどで伸ばすコードで使います。
基本的には「ド」と「レ」と「ミ」、3つの白鍵の組み合わせてジャンジャカジャンジャカっぽいストラムパターンが可能になるようにしています。
オプション その1
「ド・レ・ミ」で基本的なストラムができるのですが、もう少しストラムにバリエーションを付ける意味合いで、F#にStrum Up M 3456をあてました。
このストラム・アップを選んだ理由がもうひとつあります。
ギターを弾いていて、ひとつのコードから別のコードに移る時に、どの弦も押さえない状態でストラムすることがあります。
ユーザーコードを作った時、CHORD BのBの鍵盤に割り当てた「EADGBE」、何も押さえない状態でストラムしたときの「コード」です。ギターを倒しちゃった時にも主にこの音が鳴ります。
ジャンジャカで次のコードに行くとき最後のジャカの「カ」で、CHORD BのB「EADGBE」とF#(Strum Up M 3456)を弾いてやると、よりリアルな感じがでます。
コチラをご覧いただけたら分かりやすいかと思います。
オプション その2
プリセットで何をしたいかを考えるのところで、「ちょっとだけロックっぽいのもできるように対応したい」がリストにありました。
そこで、1st Noteから3rd Noteまでが 1-5-1 のボイシングになっているコードに対して、その3つの音を弾くストラム・スタイルをあてることにしました。
これで、ロックギターでおなじみのパワーコードが弾けます。こんな感じです。
オープンコードで1st Noteから3rd Noteまでが 1-3-5 の形になってるものでも、全く使えないワケではないけど、パワーコードの方がスッキリ&力強いサウンドになりますよね。
ファ (F) = Strum Down M 123
ソ (G) = Strum Up M 23
ここでも右手の人差し指と中指を交互に弾くとジャカジャカジャカって弾けるようにしました。これにバリエーションとして薬指で弾くようのコチラを追加してます。
ソ# (G#) = Strum Down F 123
おまけ
ラ (A) = Strum Down All
シ (B) = Strum Up All
この2つには他のストラムと違って速度をします表記がありません。鍵盤を弾く強さ (Velocity)で速度 (Speed)を決定するStrum Velocity-Speedというグループに属しているんですね。
コチラをご覧いただいた方が話が早いです。
ベロシティが弱くなるにつれて、ストラムのスピードが遅くなっていっています。
使い方が限られるかもしれないけど、機能として面白いなと思ったのでおまけで設定しておきました。
プリセットの保存はお忘れなく
はい。ここまで本当にお疲れ様でした。
ここに辿り着くまでに何度も保存はしてきたかとは思うのですが、「いや?ここで初めて保存するんだけど?」という方は...。
画面右上の「MENU」をクリックして、プルダウンメニューから「Save Preset As...」を選択して、プリセット名を付けて保存。
そうでない方は、プリセット内で変更が追加される度に、プリセット名のおしりに「*」が付いていると思うので、「MENU」をクリックして、プルダウンメニューから「Save 」をクリックで保存していきます。保存後は「*」が消えます。
以上です。
まとめます
ようやくまとめられる... 。
さぁ、これでようやっとギターコード打ち込みの時短に役立つ、自分専用のInstaChordプリセットが完成しました。
そういえば、プリセット作成の前に「自分専用のプリセットで何をしたいかを考える」ということでリストを作りましたが、それらがすべてできるようになっているか答え合わせ的なことをしましょっか。
オープンコードが弾ける
これはユーザーコードを作成することで対応しました。特にC MajorとG Majorのオープンコードは響きはバレーコードとは大きく違いますからね。
ギター音源によっては開放弦の響きを再現できるものとできないものに分かれるので、その問題もありますが、概ね満足しています。
できればシンプルに白鍵のみで!!
コードの選択と単音弾きはすべて白鍵で対応しているので、とてもシンプルにできたかなと思います。
ストラムの部分に関しては、バリエーションのために黒鍵を追加したけど、基本的には白鍵で弾けるのでOK。
単音とストラムの組合せができる
たたき台のプリセットを使って、PICK Aで単音弾きとPICK Bでストラム各種を割り当てたたのでオールオッケー👌
ストラムはゆるめ(少し遅め)
InstaChordではストラムの種類が多く、あらかじめ設定された速度も4種類あるので、今回の場合はMediumを選択しました。
私が作る曲のTEMPOが90から120くらいなので、Mediumだと程よいユルさのストラムができるのでとても満足しています。
単音 → ルート音の5度下の音も鳴らせるようにしたい
これはユーザーコードを作成する時、多くのコードでBass Noteにルート音の5度下の音を設定することで対応しました。
その上で、単音+ストラムを組み合わせれば、こんなカントリーフォークっぽいギターが弾けます。
ちょっとだけロックっぽいのもできるように対応したい
ストラムで鳴らす弦の数を低い方3つまでに減らしてパワーコードにすることで、シンプルな鳴りのロックギターを可能にしました。
とまぁ、こんなところです。
いろんなジレンマはあったりしたけど、プリセットを作成したことで今後のギターコード打ち込みが捗ることは間違いないと自負しています。
欲を言えば、InstaChordからの操作でブラッシングが出来たりしたら更に良かったなぁとは思っています。
兎にも角にも、ピアノロールにコードをひとつひとつポチポチ書き込んで、ノートのタイミングをひとつひとつズラして...なんてやるより、InstaChordからリアルタイムで録音した方が、打ち込みとしては大きな時短になるはず。
ギターは弾かないけどギター打ち込みにチャレンジしたいしたい人や、ギター打ち込みをカンタンにしたい人で、InstaChordの自分用プリセット作成に興味のある方はぜひぜひチャレンジしてみてください!
それではまた
ヒ
- 追記のコーナー -
ここまでやり切ってこんなことを言うのもなんなのですが、InstaChordでギターコードのカンタン打ち込みをするために、なんだかとてつもない時間を費やしてしまった感じします。この時間で幾つの曲を書くことができたか...苦笑。
そして今回のこの記事を3つすべて読んで自分専用のプリセットを作ろうと思う人もなかなかいないと思います。いるとしたら私くらいネクラだと思います。ぜひお友達になりましょう 笑。
そもそも今回作成したプリセットを配布か販売かした方が早い気もするのですが、それは一連の記事の反応を見ながら進めていければと思っております。
どうです?私が作ったInstaChordのギターコード打ち込み時短プリセットにご興味あります?
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