はい、ヒの字です。
せいや!アムステルダム旅行記ラウンド2の4日目になります。
いやぁ、この日は朝から夜までずっと美術館や博物館巡りでしたよ。行った場所は全部で4ヶ所。1日でこれだけ見て回れるスケジューリングの素晴らしさに自画自賛w I Amsterdam City Cardもほぼフル活用!
コンテンポラリー・アートの展示会を行なうDe Appel Arts Centreに始まり、第二次世界大戦下のオランダを知ることができるレジスタンス博物館、今年の春にオープンしたばかりのオランダ初アウトサイダー・アート美術館 Outsider Art Museum、そして夜には奥さんと合流してStedelijk Museum(アムステルダム市立美術館)への再訪と盛りだくさん!
もうさっさと本題に入っていきますよ。
それでは、いってみよー!
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現代美術ならココ!De Appel Arts Centre
トラムでセントラル・ステーションに着いたら、徒歩10分くらいの場所にあるのが現代美術の展示会を行なっているDe Appel Arts Centre。私が行った時は、Gabriel Lester氏の『UNRESOLVED EXTRAVAGANZA』という展示をやっておりました。
解説によると、Gabriel Lester氏は電子音楽、サンプル・ミュージック、そして映像をルーツとするアーティストで、80年代と90年代にはラッパーとして活躍し、その後はオランダの音楽シーンでミュージックビデオを制作していたんだとか。
今回は、Gabriel Lester氏とその仲間たちが1996年から2016年に制作した作品が、建物内にある部屋のあちこちに展示されていました。
展示作品の内容は、しょっぱなからシュールを極めていましたよw 最初の部屋のメインとなるのは映像作品なのですが、穴の開いた壁から手足が出ていている弦楽四重奏。しかも壁の向こうでは演奏者が何やら哲学的な話をしているというw
そんなスタートから、丘の上にある7つの実在する街をイメージした7つの砂山が盛られている部屋もあり、ちょっとトイレに寄ろうと思えば、その向かいにあるロッカールームでは壁掛けモニターからやかましいミュージックビデオ(これも作品)が流れていたり、あらゆる場所や部屋でポカーン(いい意味で)とさせられてしまいましたw
それらを経てのコチラ↓
『 BERMUDA 』 De Appel Arts Centre 公式Instagramより
ビニールカーテンの向こうに真っ暗な大部屋があり、その正面に見えるものが上の写真になります。これが女性ナレーションや効果音に合わせて各ボックスの照明が点いたり消えたり…。
これは『BERMUDA』と名付けられた、この展示会のために制作された作品で、難破した船から、とある島に流れ着いた人々の話や、船や飛行機が消えてしまうというバミューダ・トライアングルの伝説が表現されているとのことです。
この暗闇に目が慣れてくると、足など一部分が切断された木製の椅子が部屋の手前側に置いてあることに気付いたのですが、これは沈んだ船から漂流している椅子を表しているんだとか。そう、この作品を見ていた私は海の上に立って、その「島」を見ていたんですね。ザ・シュール…。
現代アートって「なんじゃこりゃ!?」ってなってしまうことが多々あるんですが、その説明を知ると「あっ、そうなんだ!」と驚かされるし、説明がなくても作品そのものに刺激を受けることが多くて、個人的にはとても好きです。
そういう作品を展示し続けるDe Appel Arts Centreは、有名な美術館とは少し違いますが、アムステルダムに行かれる方や在住の方には是非是非オススメしたい場所です。
オランダ・レジスタンス博物館
De Appel Arts Centreから南東へ徒歩12分、前回行った動物園入り口の向かいにあるのが、オランダ・レジスタンス博物館。
博物館への道中:橋から見るカナルクルーズ |
ここは、第二次世界大戦の直前から、戦中ナチスドイツ占領下の時代、そして解放までのオランダを、当時の写真や遺品、そして個人の話といった資料を通して今に伝える博物館です。
本当は、アンネ・フランク・ハウスやユダヤ歴史博物館とセットにした方が良いのかと思ったのですが、今回の旅では美術館を中心に回りたかったので、それは断念。それでも、戦中の占領下にあったオランダ人のそれぞれの立場のそれぞれの考え方や生き方、抵抗活動など、当時のオランダの様子がよく分かる歴史博物館でした。
歴史的な出来事の詳細は省略しますが、特に印象的だったのが、「Farewell Card」という移送列車で強制収容所に連れて行かれるユダヤ人やレジスタンス活動者たちが、列車の隙間から家族や友人にさよならを伝えるポストカードを列車の隙間から落としたというもの。強制収容所で起こったこともそうだけど、どれだけのカードがちゃんと届いたのかなと思うと胸が苦しくなりました。
ドイツ占領軍に対するレジスタンス活動は具体的に、ストライキやデモ運動をはじめ、組織による隠れ家の用意や破壊工作などがあったとのことですが、ドイツの検閲を潜り抜け「違法」な新聞や雑誌が数多く発行されていたんですね。
そして、これは別口で知ったのですが、前衛芸術グループ、コブラ創設者のひとりであるクリスチアン・ドトルモンもレジスタンス雑誌の中心人物だったんです。旅の中で自分が見ていたものが、こうした形でリンクしていることを知るのもなかなか興味深いところですよね。
博物館のチケット(上)とガイドブック(下) |
この博物館では無料のオーディオガイドを聴きながら、2時間弱じっくり見て回ったのですが、やはりテーマがテーマだけに写真など撮っているヒマもなく、出てから撮ろうと思っていた建物の写真すら撮り忘れてしまったという…。
戦争の悲惨さだとか世界平和だとか、ここでは語るつもりはないのですが、今は本当にいつどこで何が起こるか分からない世の中。まったく予想外のことが起こった時に、自分なり他人なりの本質が見えてきたりするものだし、最終的にすべては人に掛かっているんだなとしみじみ思ったりもしました。
まとめます
De Appel Arts Centreは実のところ、スケジュール詰め込み過ぎかなと思って悩んでいたのですが、行けて良かったと思っています。ここは、展示会をはじめ、出版やイベントも行なっており、更にはギャラリー・オーナーや若いアーティストたちの教育の場でもあるとのこと。アムステルダムの現代美術界における重要な場所だったんですね。
物故巨匠作家の名画などを見るのは有名な美術館で観ることができますが、今の時代に活躍するアーティストの作品もやはり見逃せないです。ここに住んでいる人たちが本当に羨ましいです。
オランダ・レジスタンス博物館は、前回動物園に行った時に一緒に行こうと思っていたのですが、動物園を楽しんでいる間に閉館時間を過ぎてしまっていて行けなかったんですね。なので、今回はリベンジという形でようやく行けたワケです。
内容はもちろんヘヴィなものになると分かっていたので、現代美術とアウトサイダー・アートの間に入れておいた方が良いと思いましてね。
そんなことで、後編はエルミタージュ美術館アムステルダム分館内に新しくできたOutsider Art Museumと、金曜なので夜10時まで開いているStedelijk Museumに再訪した話になります。
それでは
See You !
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*私ヒの字は音楽制作や翻訳(音楽関係)のお仕事をしています。
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